あなたのお店の商圏レポートを作成します統計データを読み解くヒント  
統計データから分かること  
 
(01) 国勢調査から分かる基本的なこと
(02) 「夜間人口」と「昼間人口」から”流出・流入傾向”を知る
(03) 「小売業年間販売額」から”購買流入”を知る
(04) ターゲット層を知る統計項目について
(05) 「年齢別人口」から分かること
(06) 「世帯人員別世帯数」から分かること
(07) 「家族類別一般世帯」の項目から分かること
(08) 「住宅の所有関係別世帯数」から分かること
(09) 「住宅の建て方別世帯数」から分かること
(10) 「経年推移」から分かること
 
 
(01) 国勢調査から分かる基本的なこと
 

■人口と世帯数
例えば、物件を中心にして半径500m以内の人口、これが1万人を超えているようなら、そこは人口がかなり密集していることになります。都心ではザラですが、地方では相当高いと言えます。

■ 年齢別の人口
若者が多いのか、高齢者が多いのか、都道府県全体の平均などと比較してみるとすぐ把握できます。高齢化社会になったと言っても日本全国同時に進行しているわけではありません。まだまだ乳幼児や子供が高い比率で見受けられる地域はたくさんありますし、超高齢化が進んでいる地域もあります。

■ 人口、世帯数の伸び率
今も増え続けている地域なのか、それともピークを過ぎて減り続ける一方の地域なのかで、商圏の評価は大きく変わります。

■ 住民の職業
これは二つの側面で調査されています。
一つは人々がそれぞれ所属している会社や事業所などの団体がどんな産業に属しているか、つまり就業先の業種を調べている側面です。もう一つは、それらの団体の中でその人がどんな役割をそれぞれ担っているか、つまり従事している職業という側面です。

前者は、第一次産業(農林漁業・鉱業)、第二次産業(建設業・製造業)、第三次産業(電気ガス水道熱供給業・運輸通信業・卸売小売飲食業・金融保険業・不動産業・サービス業・公務)に分かれます。
後者、つまり従事している職業という面では、専門技術的職業、管理的職業、事務的職業、販売の職業、サービスの職業、保安の職業、農林漁業、運輸通信の職業、生産工程労務というように分けられます。
一部同じ名称を使っているためわかりにくいところもありますが、たいへん役に立ちます。

たとえば、産業分類で「製造業」が平均より多く、また従事する職業分類で「生産工程労務」が多いとしましょう。すると、こういう地域では、中小企業など現場の製造関係に従事している人が多い地域だということがわかります。これとは異なり、同じように「製造業」が多くても、「販売」に従事している人が多い地域もあります。こういう場合は、いわゆるメーカーの営業所が多いことを意味しています。
同じ製造業でも実際に作る人が多いのと、それを売る人が多いのでは商圏はまったく違います。前者なら体力勝負・技術力勝負のイメージですが、後者なら知力勝負・説得力勝負のイメージです。
実際、そうしたイメージ通り、前者のような商圏ではファストフードのようなカロリー多消費型の業態やパチンコやゲームのような時間と金銭消費型の店が好まれることが経験的にわかっています。

どんな商売 がその商圏に向いているかは、このように職業を見て比較していくだけでわかることがあるものです。初めて訪れる土地での事前の資料として国勢調査が欠かせない理由もここにあります。

■ 教育状態
これはとりわけ優れた項目です。
まず、教育途上にある(通学中の)生徒、学生がどれだけいるか、がわかります。小学校なのか中学校なのか、高校なのか、大学なのかがわかります。
これらの項目の比較をとれば、例えば大学進学比率のようなものもわかります。また、地元に大学がないために遠くの町に引越してしまって、いるべき大学生の層がいないこともあります。反対に、都会ではひじょうに大学生比率が高い場合もあります。若者流出の街か、若者流入の街かでまったく商売のやり方が異なるのは言うまでもありません。
教育状態と言うからには、すでに卒業している大人、お父さん、お母さんの最終学歴もわかります。つまり、小中学校卒なのか、高校卒なのか、短大・専門学校卒なのか、それとも大卒・大学院卒なのか、ということです。
日本の社会ではこの順番に初任給も平均給与も高くなっていくので、この最終学歴さえわかれば、その商圏の所得の高さがおおよそ見当がつくようになります。

■ 住宅について
住宅が持ち家であるか、それとも社宅や寮、あるいは民間のアパートであるのかなどがわかります。

■ 労働状態
現在、就業中であるのかそれとも失業しているのかなどを教えてくれます。

 
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(02) 「夜間人口」と「昼間人口」から”流出・流入傾向”を知る
 

「夜間人口」とは、そこに住んでいる人はどのくらいいるか、その数で、国勢調査の人口です。
「昼間人口」は、平たく言うと、(夜間人口)−(そこから通勤・通学で流出していく人々)+(そこに通勤・通学で流入してくる人々)と考えてください。これはどう計算されているか、ちょっと複雑難解なので、後部に載せておきます。

この「夜間人口」と「昼間人口」を比較することで、その地域の”流出・流入傾向”が分かります。「夜間人口」が「昼間人口」より多い場合は、その地域の人々が流出傾向にあるということです。逆の場合は、流入傾向にあり、その差が大きければオフィス立地と言えるでしょう。東京都の西新宿や銀座などでは、その比率は何十倍にもなります。業種業態により、その地域が出店に適すかどうかや営業時間等の検討の参考になるでしょう。ただし、昼間人口には、購買目的などで流入してくる人々は含まれませんので、ご留意ください。

■ 昼間人口の計算法
総務省統計局による定義は、以下のようになります。
国勢調査の集計結果では、市区町村別の昼間人口はありますが、市区町村より小さい単位の昼間人口は調査されていません。では、その小さい単位の昼間人口はどうなっているかというと、リンクによる「地域メッシュ統計」において推計されています。
「地域メッシュ統計」とは、日本全域をほぼ方形で面積の等しい小地域に細分した地域単位ごとに、各種の統計データを編成したものです。
通常、基準地域メッシュといわれる3次メッシュ(1km四方)が用いられています。こうすることで、任意の地点を中心にした円集計などがパソコンでできるわけです。
さて、本題の定義ですが、リンクによる地域メッシュ統計における昼間人口は、国勢調査とは異なり、国勢調査における非労働力人口、完全失業者及び農林水産業就業者等に、事業所統計における第2次・第3次産業従事者数及び生徒・学生数を加えることで計算されています。

 
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(03) 「小売業年間販売額」から”購買流入”を知る
 
商業統計に「小売業年間販売額」というデータ項目があります。
これは、”そこで使われたお金”と考えていただいていいでしょう。たとえば、新宿駅を中心とした500m圏内では7843億円(99年データ)にもなります。
一方、全国のこの総額を総人口で割ると、一人当たりの消費額を算出できます。これは、99年データで約114万円になります。
この数字で、新宿の7843億円を割ってみると、約68万8千人になります。これを「購買人口」といいます。
購買人口を夜間人口(そこに住んでいる人)と比較することで、購買流入の状況を知ることができます。
新宿の場合、同圏内人口は2200人程度ですから、313倍にもなり、巨大な購買流入があることが裏付けられます。
逆に、購買人口が夜間人口より少ない場合は、その地域の人々がその地域以外で買い物をしているということがわかります。
 
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(04) ターゲット層を知る統計項目について
 

まずは、「年齢別人口」です。国勢調査では、0-4歳・5-9歳というように5歳区切りで、それぞれの総数・男・女の人口が分かります。また、これ以外に、0-2歳・0-5歳・3-5歳・6-11歳・12-14歳・15-17歳・18歳・19歳・0-14歳・15歳以上・15-64歳・20歳以上・65歳以上などの区切り方もありますので、乳幼児や子供、大人、高齢者というように把握することもできます。

その他、そこに住んでいる人の就業状態や、どんな産業に従事しているか、就学状態(在学者数)などの項目もあります。

また、「世帯数」関連の項目では、世帯総数の他にも、1人世帯数・2人世帯数・・・7人以上世帯数などの世帯人員別世帯数や、核家族世帯数・6歳未満家族のいる世帯数・高齢単身者世帯数・持ち家世帯数・共同住宅世帯数など、さまざまな項目があります。

若い単身者が多くいるか、学生は多いか、定住性は高いか、など項目を組み合わせてデータを見ることで、おおよそ推定することができます。
あとは、物件を調査しながら、その確認をすることが重要です。

 
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(05) 「年齢別人口」から分かること
 

国勢調査では、0-4歳から85歳以上まで5歳区切りで、それぞれの総数・男・女の人口が分かります。この年齢別人口の構成を、男女左右に表した横グラフを「人口ピラミッド」といいます。ちなみに、1930年時の日本の人口ピラミッドは、本当にピラミッド形(▲)をしていましたが、2000年では、ピラミッド形とは呼べない2箇所にふくらみのあるつぼ型に変形するようになりました。
2箇所のふくらみとは、団塊の世代(50歳〜54歳)とそのジュニアです。

さて、加工して人口ピラミッドを作ると、どの年齢層が多いか少ないか、一目で分かります。
例えば、板橋区の「高島平駅」を中心に1km圏の人口ピラミッドを見てみると、25-29歳前後と50-54歳前後がふくらんだ形になります。同様に、杉並区の「高円寺駅」を見ると、25-29歳・20-24歳・30-34歳の順で見事に突出しています。
これは、年齢別人口比の分析から言うと、前者が成人家族型(比較的年齢層の高い家族が多い)、後者が成人偏向型(とりわけ20才代若者の比率が高い)ということになります。
土地勘のある人には納得の裏づけになり、土地勘のない人には、そこを知る手がかりになります。
ターゲット層の多寡や、商品構成、内外装の参考など、活かし方はたくさんあります。

 
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(06) 「世帯人員別世帯数」から分かること
 

『世帯人員別世帯数』には、1人・2人・3人・4人・5人・6人・7人以上世帯数と7項目あり、家族構成の人数がわかります。

これらのデータを「世帯総数」で割って比率をだしてみるのです。 そうすると、なにがわかるか、東京都あきる野市の「秋川駅」近辺データ(500m圏)を、例にとってみましょう。

まず、人口ピラミッドでは、10歳未満と25〜39歳までの人口比率が高く、10歳代から20歳代前半、40歳代、70歳以上の比率が極端に低いことがわかります。

一方、『世帯人員別世帯数』データの比率を見ると、「1人世帯数」の比率は20.2%と低く(全国平均27.6%・都平均40.9%)、反対に、2〜4人世帯の比率が高くなっています。〔ちなみに、その内訳は、2人世帯27.4%(都平均23.5%)、3人世帯23.8%(同16.2%)、4人世帯20.3%(同14.0%)となります。〕

結果、周辺には”子供がまだ10歳未満の核家族世帯”が多いと推測できるというわけです。お店の業種業態に合うかどうか、の判断材料になります。

余談ですが、東京都平均の「1人世帯数」が40.9%(※)と非常に高いのは、大都会ならではです。
(※2000年国勢調査によります。)

 
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(07) 「家族類別一般世帯」の項目から分かること
 

『家族類別一般世帯』の項目には、「核家族世帯数」「6歳未満のいる世帯数」「世帯主が20-29歳1人世帯数」「高齢単身者世帯数」などの項目があります。

さて、前回の例で、東京都あきる野市の「秋川駅」周辺(500m圏)には、”子供がまだ10歳未満の核家族世帯”が多いと推測しました。

そこで、「核家族世帯数」データでも確認してみます。この周辺の世帯総数は約1750、これに対し核家族世帯数は約1260でした。推測が裏付けられたことがわかります。

じゃあ、こっちの項目ですぐわかるじゃないか、と思うかもしれませんが、”どんな”核家族なのかは、人口ピラミッドを見てみないとわかりません。見方の順序にも、コツがあるのです。

 
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(08) 「住宅の所有関係別世帯数」から分かること
 

『住宅の所有関係別世帯数』に関する項目は、以下の6つです。
「住宅に住む一般世帯数」
「持ち家世帯数」
「公営公団公社の借家世帯数」
「民営の借家世帯数」
「給与住宅世帯数」(=社宅)
「間借世帯数」

これらの項目の見方ですが、例えば、子供が成人していない核家族の世帯が多いと推測できたエリアで、 「持ち家世帯数」比率が高ければ、 『定住性が高く、転出入が少ない』地域である、 と考えることができます。

あるいは、若年の一人世帯が多いと推測したエリアで、 「民営の借家世帯数」比率が高ければ、 推測が裏付けられるとともに、『定住性が低く、転出入が多い』地域である、 ということがわかります。

では、「定住性」や「転出入」を見るのは、なぜでしょうか?
これは、ひとつに、お客様が固定的か入れ替わるのかということ、そしてもうひとつは、お店の認知が早いか時間がかかるかということ、に関わるからです。

 
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(09) 「住宅の建て方別世帯数」から分かること
 

前項の「住宅の所有関係別世帯数」と合わせて見ることが多いのが『住宅の建て方別世帯数』です。

『住宅の建て方別世帯数』の項目では、以下の3項目が参考になります。
「一戸建住宅世帯数」
「長屋建住宅世帯数」
「共同住宅世帯数」

これらの項目の見方ですが、例えば、若年層の一人暮らし世帯が多いと推測したエリアで、 住宅所有関係別の「民営借家世帯数」「給与住宅世帯数(社宅)」も高く、 建て方別の「共同住宅世帯数」比率も高ければ、 推測がさらに裏付けられることになる、という具合です。

こうしたエリアでは、”住民の定住性が低い”と考えてよいでしょう。 数年もすれば住民層ががらりと変わってしまう傾向にあるので、要注意です。

 
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(10) 「経年推移」から分かること
 

「経年推移」とは、調査年度ごとのデータの増減を見ることです。

国勢調査であれば、5年ごとに実施されていますので、1990年・1995年・2000年と比較することができます。

例えば、ある商圏で、「人口」や「世帯数」の経年データを見てみたら、1990年から2000年の10年間に、人口が増加していて、世帯数もそれを大幅に上回って増加していたとしましょう。 これは、一世帯当たりの構成人数が減少しているということです。つまり、小家族化が進んでいる、ということがわかります。

このように、その地域の動向を知ることができるのです。

また、商業統計の「年間小売販売額」は、”そこで使われたお金”と考えることができ、マーケット規模を知るのに便利で重要な指標です。

その経年推移を見ることで、そこの商況を知ることができます。伸びているところあり、衰退しているところあり、です。 「小売商店数」「同売場面積」と合わせて見て、「商店数」が減少、「売場面積」「小売額」が増加しているならば、店舗が大型化しているというようなことも分かります。

 
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