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FSPデータ活用講座 第17回

会員定着に向けてのアクション

前回はお引越しシーズンに合わせた再募集キャンペーンに際してチェックすべき項目についてお話しましたが、新しく入会された会員様にはきちんとお店の特徴をお伝え出来たでしょうか。また来たいと思ってもらえるようなサービスを提供出来たでしょうか。

せっかく入会してもらった会員様ですが、残念ながら未稼動となってしまう会員も少なからずいます。ある調べによると多くの小売業では毎年25%〜40%の顧客を失っているそうですが、その原因は、引越してしまった以外にも、お店の品揃えやサービスなどが満足できなかったという点もあるのではないでしょうか。特に初めて来店したお客様は「ここはどんなお店なんだろう」と様子をうかがっているます。そういったお客様にもきちんとサービスをお伝えできなければ、せっかく入会しても未稼動になってしまいます。FSPは上得意様を手厚くする手法ではありますが、誰でも最初は新規会員なのですから決して上得意様偏向のサービスであってはなりません。上得意様の日頃のご利用に感謝しての手厚いサービスと、上得意様だけしか獲得できない偏向サービスは似て非なるものですので注意が必要です。あまりにも上得意様だけのサービスが顕著であると、新規会員には「ここのお店は、新しいお客にはサービスしてくれないのね」と勘違いされて、再び来店してくれません。

新規会員が再び来店しているかを日々チェックしている事と思いますが、以前から比べて新規会員の定着率が落ちてきているようであれば、売場に問題があるのか、あるいは偏向サービスに傾いているのかなどを考えなくてはなりません。データ活用講座 第2回で紹介したように、新規会員が定着するには入会後3回以上来店してもらう必要があります。それは1回来店しただけではお店の特徴が伝えきれないからです。ただでさえサービスを理解してもらうのに3回は来店いただかなければならないのに、入会早々「上得意様だけのサービス」を説明(もしくは店内掲示による案内)されれば「上得意様偏向」と思われても仕方がありません。ですので、新規会員の定着率の推移を把握することは、当店のサービスがわかり易いものなのか、上得意様偏向となっていないかどうかを客観的に判断する指標ともいえます。

そのようにして募集した会員でも、だんだんと足が遠のき、やがて未稼働になってしまった方も居る筈です。RFM分析によると、一旦足が遠のいたお客様が再来店いただける可能性は、それまでのご利用が高ければ高いほど難しいそうですが、かといって何もしない訳にはいきません。そこで以前は上得意客・中位ランクであった未稼働会員に対してのアクション方法について考えてみたいと思います。

まず、未稼働会員の抽出方法ですが、データ活用講座 第6回で紹介したステージ推移分析(ステージ動向分析・ランク推移分析)を用います。この分析手法は、任意の2期間のステージを行/列に配置しクロス分析を行なってステージの動向を把握するものですので、例えば「半年前は上得意様であったのに、今現在は未稼働になってしまった会員」といった具合に抽出することが出来ます。

抽出した会員に対してのアクション方法は、上得意様に対しては粗品を持って店長が訪問する、電話をかけるといったように直接伺う方が、様々な改善点を知るきっかけとなりますので良いかもしれませんが、中位ランク会員までを対象視する場合はダイレクトメールの方が良さそうです。今回抽出したのは「半年前と比較した」未稼働会員ですので、最近、店頭で行っている様々なサービスについて知る由もありません。そこでDMの内容は「新サービスを検討するためのご意見承り」といったアンケート形式をとりつつも、半年前にはスタートしていなかった現在のサービスについてのご紹介を行ないます。まずは、以前と比べて「こんなサービスが始まっているのね」と気づいてもらうのがDMの狙いです。しかも、しばらく来店していない会員であれば今は他店で買物していますので、新サービスに対して客観的に判断します。新サービスが他店よりも魅力あるものであれば、また来店いただけるかもしれません。そのためにご意見を伺うのです。

但しこの方法はあまり大きな反響を期待できません。先にもお話したように「一旦足が遠のいたお客様はそれまでのご利用が高ければ高いほど難しい」のですから、1人でも2人でも貴重な意見を聞くことが出来ればよしとするものです。DMにクーポン券やプレゼント交換券をつけて来店を促す事も考えなくてはなりませんが、恐らく稼動会員に対するアクションよりは余計にコストはかかり、しかも反響が低いかもしれません。しかし一度足が遠のいてしまった会員に戻ってきてもらうためには、これぐらいしなくてはいけないのです。だから、未稼働になってしまう会員をなるべく抑える事が大事なのです。そのためには上得意様偏向ではない「また来たい」と思うようなサービスをきちんとお伝えする事が肝心なのです。ここで言うサービスとは、なにも価格やイベントの類に限られる事ではありません。商品の品質・鮮度、従業員さんの接客態度、買い易い陳列、クリンリネス等、他店と比べても引けをとらない特徴は当店独自のサービスなのです。そういったサービスの積み重ねが「また来たい」につながるのです。

東芝テック株式会社  FSP・コンサルティング担当


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