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FSPデータ活用講座 第7回

家計調査とFSPデータを比較する

今回は、家計調査の統計データとFSPデータを比較して「自店の特徴」あるいは「自店の強み・弱み」を把握する方法を説明いたします。

家計調査は総務省が毎月調査を行っている統計で、家計の収入・支出から個人消費を捉える事が出来る統計データです。
毎月の調査結果は総務省統計局のホームページに公開されていますので、この統計データから得られた平均的世帯の支出金額と、FSPデータで得られた自店のお客様の購買状況を比較することで、自店のデータだけでは解らないマーケットにおける相対的な評価を把握します。

家計調査ホームページ http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm

データ活用講座 第3回では、デシル分析と家計調査の「平均世帯1ヶ月の食費支出額」を比較することで、顧客内シェアが把握出来るという事をご紹介いたしました。仮に平均的世帯の外食を除く食品の支出金額が5万円で、デシル1会員の平均買上額が4万円であったとすると、1万円は他店でお買物されているかもしれないということです。
では、その1万円の差はいったい何が原因なのでしょう。競合他店と比べて弱いカテゴリーが影響しているのか、あるいは全体的にまだまだお買物されていないのか等、家計調査という平均的な指標と比較することでマーケットにおける「自店の特徴」あるいは「自店の強み・弱み」を知る事が出来るのです。(貴社の商品分類体系と家計消費支出の分類体系が類似していると比較的容易に分析できます。また、システムによっては保持していない分析もありますのでご注意ください。)

ではさっそく分析してみましょう。用意する帳票は次の2点です。

(1)FSPデータから得られた会員のカテゴリー別購買実績
(2)家計調査の詳細結果表
  「<品目分類>1世帯当たり1か月間の支出金額,購入数量及び平均価格」

(1)は、分析したい内容に応じて「デシル別」「ステージ別」あるいは「エリア別」などの資料を用意します。(2)は「農林漁家世帯」を含む結果と含まない結果に分かれていて、それぞれ全国平均・都市階級別・地方別・都道府県庁所在地別の帳票に分かれていますので、自店の商圏に適した帳票を用意します。資料が用意できたら、(2)の品目分類のうち自店で扱っている品目を拾い出して自部門の括りで支出金額を集計し、(1)と比較します。

文章だけでは解りにくいので、例としてデシル1のカテゴリー別買上額と家計調査支出金額をグラフにしました。

カテゴリー別家計調査支出金額

デジル1 カテゴリー別買上額

デシル1のカテゴリー別買上額を見ると、もっとも購買金額が多いのが一般食品で1ヶ月に4,000円強お買物されています。続いて鮮魚、野菜、和洋日配などの購買金額が月間で3,000円以上となっています。一方、家計調査の支出金額を見ると一般食品は7,500円。ということは3,000円弱は他店でお買物されているのかもしれません。

この2つのグラフを重ねてみると、これらのお買上額の差がより明確になります。

デジル1 カテゴリー別顧客シェア

デシル1会員が月間3,000円以上も買物されている自社の強い部門であっても、こうやって家計調査と比較してみると、まだまだお買物されていない事がわかります。自店の弱いカテゴリーは競合店の強いカテゴリーとも考えられますので、上得意様に対して競合店対策を行おうとした場合、「どのカテゴリー」を「あといくら」お買上してもらえば良いのかという指標にもなります。

上記の例では生鮮品はかなり支持されていますが、それでもまだ野菜は1,500円、鮮魚は1,000円お買上してもらえる余地があります。例えば会員に単身者や夫婦2人世帯の会員が多いのであれば、少量パック商品を幾つかのサイズに分けて用意する、あるいは「今日は野菜の日」「鮮魚の日」など曜日替りでメリハリの効いた売場としてみたり、産地や鮮度に対するこだわりなどPOPにしてお客様に伝えるなど、お客様が手に取りやすい売場を工夫してみます。会員価格やボーナスポイントでアピールする事も有効でしょう。その上更に、FSPデータから野菜・鮮魚をあまりお買上いただいていないデシル1会員を抽出して、前述したこだわりのメッセージやおいしい食べ方のレシピと共にクーポン券を配ってみるといった事も、FSPデータを活用すれば可能なのです。

今回の例ではデシル1会員の購買実績を用いましたが、エリア別の実績を用いれば、エリア毎に強いカテゴリー、弱いカテゴリーが明確になるでしょう。自店の弱いカテゴリーは、競合店の強いカテゴリーと考えれば、エリア戦略の糸口が掴めるかも知れません。

このように、FSPデータだけでなく家計調査の統計データなどの一般的なデータと比較することで、マーケットにおける相対的な評価を把握する事が出来るのです。

なお家計調査の数値はあくまでも統計データですので、分析結果が全て正しくなるとは限りませんのでご了承下さい。

東芝テック株式会社 FSP・コンサルティング担当


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