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『デシル分析でお店の状況を把握する』
今回はデシル分析について説明致します。
デシル分析とは、カード会員を均等に10のグループに分ける分析手法です。一般的にはカード会員を買上金額の多い順に、一つのグループの会員数が同じになるようにグループ分けします。例えば、稼動会員数が5,000名とした場合、買上金額の多い方から500人ずつ10個のグループ分けをするといった具合です。
ちなみに「デシル(decile)」とは十分位数のことを意味します。更にいえば「デシ(deci)」とは1/10の量を表す単位で、容量を表す単位のデシリットル(dL)や、騒音を測定する際などに用いるデシベル(dB)などの「デシ」がそれです。なお1/100は「センチ」、1/1000は「ミリ」、1000倍は「キロ」、100万倍は「メガ」、10億倍は「ギガ」。こちらはお馴染みの単位ですね。
余談はさておき、デシル分析からはどんなことがわかるのでしょう。まずは実際の帳票をご覧下さい。
3,461名の稼動会員を月間買上金額の多い順に上から並べて均等に10のグループ(=デシル)に分けてあるのがわかると思います。それによってグループ毎の買上状況を把握できるのです。
デシル1は、最もお買上の多い上位10%の会員です。1ヶ月に平均6万円程お買上され、殆ど毎日来店されている事がわかります。お店で一番お買物されている会員は、何と228,444円もお買上されています。
デシル2は1ヶ月に平均3万円。デシル1の1/2のお買上額です。およそ2日に1回以上来店されています。
デシル3は1ヶ月に平均2万円。デシル1の1/3のお買上額です。およそ2・3日に1回来店されています。
以下、デシル10までそれぞれのお買上状況を把握できるのがデシル分析ですが、これからどんな事がわかるのでしょう。
1つは、商圏内の平均世帯1ヶ月の食費支出額と比較することで、顧客内シェアを把握する事が出来ます。
例えば、1世帯あたりの食費の支出額が5〜6万円とした場合、当店の顧客内シェアは、デシル1ではほぼ全て、デシル2は1/2、デシル3は1/3を占めているという事になります。もちろん、世帯人数や年齢など会員それぞれの状況が異なりますので、全てに当てはまるわけではありませんが、商圏内に於いて当店でどれだけ食材を賄っているかの目安になります。仮に、平均世帯の食費支出額に対して極端に買上金額が低いようであれば、不足分は競合他店で賄っているという事になるのです。
食費支出額については、総務省統計局が調査を行なっている「家計調査」がインターネット上で公開されています。全国平均や都道府県単位の調査結果ですので、自店の商圏と若干の差があるかもしれませんが、最新の調査結果が誰でも自由に使えるので活用してはいかがでしょうか。
家計調査ホームページ http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm
続いて、グループ毎(デシル毎)の買上状況を比較します。先程のデシル分析の帳票から次の事がわかります。

上位3割の会員で買上額の7割を占めている・・・3:7の法則
デシル3までで全会員の買上金額合計の71%を占めています。これが「3:7の法則」です。
よく「2:8の法則」といいますが、専門性の強い業態ほど上位集中の度合いが高くなる傾向があるようで、最寄品を扱う食品SMなどの場合は殆どが3:7となります。いずれにしても、上位3割の会員でお店の売上の7割を占める訳です。よって、この3割の会員が他店へ流れないように維持する事で売上の7割を確保しようというのがFSPの基本的な考え方ですが、意外と盲点なのが次に挙げる点です。
上位3割の会員で客数の6割、上位5割の会員で客数の8割を占めている
先に挙げたように、上位3割の会員を維持するためにFSP実施企業様では様々な優待企画を実施されていることと思いますが、一方では、一部の限られた会員だけのサービスでは、恩典を受けられない他のお客様からクレームになるのではと考えられる企業様もあるかと思います。では本当に一部の限られた会員だけのサービスなのでしょうか。
デシル1の月間平均来店回数は26回。殆ど毎日顔をお見かけするのに対してデシル10は1.5回と月に1・2回お会いする程度。同じ一人の会員ですが、客数とした場合には17倍も差があります。ということは、たった今、売場にデシル10の会員が一人いたとしたら、デシル1の会員は17人もいる事になります。
デシル1と10の比較は極端ですが、デシル上位の会員ほど売場で多く見かけるということが、デシル分析の結果からわかるかと思います。
このことから、上位3割を対象とした優待企画を実施した場合、客数の6割が恩典を受ける事になるのです。
この優待を受けられるしきい値をどの辺りに設定するかが、FSPのランク別アクションにつながります。例えば、月間買上額が1万円以上で恩典を受けられるとした場合、先程のデシル分析の企業では、ほぼ上位の半数が対象となりますから客数では7〜8割をカバーすることになります。一方で、下位半数の会員に対して「もっとお買物いただければ更にお得です」といった具合にアピールにつながるのではないでしょうか。
なお、FSPのランク別アクションについては、別の機会に改めてご説明致します。
東芝テック株式会社 FSP・コンサルティング担当
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